参考書のレベルが合っているかの目安——次の段に進むのはいつ?(部活の引退後・模試の後に)
この参考書のレベルで合っているのか、もっと上の本に進むべきか。偏差値ではなく、今の本を解いたときの手ごたえで見る目安(8割・5割)と、次の段に進むタイミングをまとめました。
「部活を引退したので、本格的に始めます。何からやればいいですか」
「模試の偏差値が上がったので、もう一段上の参考書に進んでいいですか」
どちらも、学習相談でよく聞く質問です。この記事では、参考書の4つの役割(段)のうち、今の本のレベルが合っているかの目安と、次の段に進むタイミングをまとめます。
参考書の「段」をおさらい
参考書は、役割で4つの段に分けられます(詳しくは基礎問題精講と青チャートの記事)。
- 1
導入・理解
入門問題精講 など
- 2
解法習得・網羅
青チャート/基礎問 など
- 3
入試標準演習
1対1/標問 など
- 4
過去問
志望校の形式へ
| 段 | 何をする本か | 数学の例 |
|---|---|---|
| ① 導入・理解 | 初めて習う分野の考え方をつかむ | 入門問題精講など |
| ② 解法習得 | 入試で使う解法のパターンを一通り身につける | 青チャート、基礎問題精講など |
| ③ 入試標準演習 | 身につけた解法を組み合わせて入試問題を解く | 1対1対応の演習、標準問題精講など |
| ④ 過去問 | 志望校の形式に合わせる | 赤本など |
学校で習った分野なら、多くの人のスタート地点は②です。問題は「②のどの本から始めるか」「②を終えて③に進んでいいか」で、ここで迷う人がとても多い。
偏差値だけでは決めない
「偏差値が60を超えたから③の本へ」のように、模試の偏差値で段を決めたくなります。ただ、これはおすすめしません。
模試の偏差値は、その科目全体の、その日の成績です。得意な分野で点を稼いでいれば、苦手な分野の②が終わっていなくても偏差値は上がります。逆に、②の本をきちんと仕上げていても、模試の出題範囲や当日の出来で偏差値が伸びないこともあります。
見るのは、今の本を解いたときの手ごたえです。偏差値は、どのあたりの本から始めるかの手がかりとして使う程度にとどめます。
手ごたえは、解くたびの印で見える
問題を解くたびに、次の3つの印をつけます。
| 印 | 基準 |
|---|---|
| ○ | 解答を見ずに最後まで解けた |
| △ | 方針は合っていて、計算ミスで答えが合わない |
| × | 手が出なかった・途中で解答を見た |
「最初の一行だけ見た」も×です。本番では、その一行が出てこないからです。印をつけながら進めると、その本で自力で解けている割合がつかめます。印のつけ方と回し方は参考書は何周するかの記事で詳しく書いています。
目安は8割と5割
| 解いていての手ごたえ | 見立て | 次にやること |
|---|---|---|
| 8割以上解ける | レベルは合っている | そのまま最後まで通す |
| 5〜8割 | ちょうどいいレベル | ×の問題を、日を空けてもう一度解いていく |
| 5割未満が続く | 段差が大きい | 同じ段のやさしい本や、段差を埋める演習の本へ |
8割・5割は、当塾が本のレベルを見るときに使っている目安です。印を数えて割合を出してもいいですし、数えなくても、解いていての体感でかまいません。
次の段に進むのは、最後まで通してから
偏差値が上がったから、8割解けるようになってきたからと、途中で上の段の本に乗り換えることはしません。今の本を最後まで解き、×の問題を日を空けて解き直してから、次の段の本に進みます。
最後まで続けられたなら、その本はレベルが合っていたということです。途中で一部の問題だけを選んで解き直して確かめる、という方法はとりません。一度解いた本の問題は解き方を覚えていることがあり、どの問題を選ぶかでも結果が変わってしまうからです。
5割未満が続くとき、習った分野は講義の本に戻らない
半分も解けない状態が続くとき、よくあるのが「基礎からやり直そう」と、講義の本(①)を最初から読み直すことです。
学校で習った分野なら、足りないのは説明ではなく、問題を解く練習であることが多いです。講義の本を読み直しても、解けるようにはなりません。
その場合は、同じ段のやさしい本か、段差を埋める演習の本に切り替えます。
- 数学: 青チャートで半分も解けないなら、白チャートなど同じ②のやさしい本へ
- 物理: エッセンスで止まるなら、入門問題精講で段差を埋める(物理のエッセンスの記事)
- 英語: 頻出1000が解けないなら、間に基本の演習(英文法ポラリスなど)を挟む(大岩と頻出1000の記事)
講義の本を使うのは、まだ習っていない分野だけです。その場合も通読を待たず、1単元読んだらすぐ②の同じ単元へ進みます。
同じ教科は1冊ずつ。×が多い章は重点に
章ごとに得意・不得意があっても、同じ教科で2冊を並行して進めることはしません(講義の本を辞書がわりに横に置く場合は別です)。
そのかわり、×が多い章は、その章の×の問題を重点的に解き直します。本は替えずに、やり直す量で調整します。
どの本から始めるか迷ったら
最初の1冊は、迷ったらやさしい側から始めます。やさしすぎる本は進みが速いぶん早く通せますが、難しすぎる本は途中で止まりやすいからです。始めてから数週間、上の目安で手ごたえを見て、半分も解けない状態が続くならやさしい本に替えます。
英語の文法は、高校に「文法」という科目がなく、どこまで扱うかは学校によってばらばらです。「習ったけれど覚えていない」がいちばん多いので、迷ったら基礎のレベルの問題集から始めます。当塾では、全員が英文法ポラリスの基礎のレベルから始めています。
部活の引退後・模試の後は、立て直しのタイミング
部活を引退した直後や、模試が返ってきた直後は、計画を立て直すのにちょうどいいタイミングです。
- 科目ごとに、今の本の手ごたえを見る(半分も解けない状態が続く本は、やさしい本に替える)
- 段ごとに、使う本を1冊に決める
- その本の問題数と、残りの週数から、1週間の量を出す(問題数÷週数の記事)
- 2〜4週やったら、実際のペースで割り直す
どこまで段を上がるかは、志望校の出題と残り時間で決まります。時間が足りないときは、これから進む予定の上の段の本(入試演習や難関の本)の演習量を減らす。今やっている本と、その×の問題の2周目は削らないのが基本です。
「引退後からで間に合いますか」という質問には、残念ながら一言では答えられません。ただ、今の本の手ごたえと、1週間に何問進めるかが分かれば、間に合わせるために何を減らすかは具体的に決められます。
よくある質問
- Q.8割・5割は、印を数えて出さないといけませんか?
- A.数えなくてもかまいません。解いていて、自力で解けるのが8割くらいか、半分も解けないかの体感で十分です。当塾の生徒は、毎週つける印から割合が分かるので、それを見て判断しています。
- Q.8割解けるようになってきたら、途中でも次の本に進んでいいですか?
- A.今の本を最後まで通してからにしてください。後半の章には、まだ解いていない型が残っています。最後まで続けられたなら、その本のレベルは合っていたということです。
- Q.次の段の本が難しく感じます。
- A.段が上がった直後は、そう感じるのが普通です。×をつけて先へ進み、2周目で回収してください。半分も解けない状態が続くなら、まだ早いと判断して戻ります。
- Q.時間制限はつけたほうがいいですか?
- A.レベルを見るときは、時間よりも「解答を見ずに最後まで解けるか」を見ます。時間を気にするのは、③や過去問の段に進んでからで十分です。
今の本が決まったら、次はその本をどう回すかと、毎週どこまでやるかです。参考書は何周するかと問題数÷週数の記事もあわせて読んでみてください。
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