標準問題精講と1対1対応の演習はどっち?——レベルの違いと、基礎問題精講・青チャートの次の1冊の選び方
基礎問題精講や青チャートを終えたあと、標準問題精講と1対1対応の演習のどちらに進むか。2冊とも入試の標準問題を解く段の本です。出版社の公式情報で冊数・題数・対象を比べ、手元の本と志望校からどちらか1冊を選ぶ基準をまとめました。
「基礎問題精講が終わりました。次は標準問題精講と1対1、どっちがいいですか?」
「青チャートの次に1対1と聞いたけど、標準問題精講ではだめですか?」
どちらも、数学の参考書の「次の1冊」としてよく名前が挙がる本です。ただ、2冊は出版社も作りも違うので、比べ方が分かりにくい。
この記事では、2冊の役割と公式の情報を並べて、どちらか1冊を選ぶ基準を整理します。
2冊とも「③入試標準演習」の本
高校数学の参考書は、ざっくり4つの役割に分かれます。
- 1
導入・理解
入門問題精講 など
- 2
解法習得・網羅
青チャート/基礎問 など
- 3
入試標準演習
1対1/標問 など
- 4
過去問
志望校の形式へ
②の本(基礎問題精講・青チャートなど)で解き方のパターンを一通り身につけたら、③の本で、それを組み合わせて入試の標準問題を解く練習をします。標準問題精講と1対1対応の演習は、どちらもこの③の本です。
同じ役割の本なので、2冊を続けてやる必要はありません。③を1冊仕上げたら、過去問(④)に進みます。②の本を選ぶときと同じ考え方です(基礎問題精講と青チャートはどっち?)。
公式の情報で比べる
③ 入試標準演習
標準問題精講(数学)
旺文社・I・A 四訂版/II・B+ベクトル 四訂版/III・C 四訂版
- I・A: 標問124題(2022年7月)
- II・B+ベクトル: 標問183題(2023年7月)
- III・C: 標問134題(2024年2月)
- 構成: 標問→精講→解法のプロセス→研究、演習問題つき
③ 入試標準演習
1対1対応の演習(数学)
東京出版・三訂版(新課程)数学I/A/II/B/III/C の6冊
- 例題: I 56題/A 56題/II 83題/B 44題/III 75題/C 61題
- 例題と同じテーマの演習題で理解を確かめる(演習題は例題よりやや難しめ)
- 第1刷: I・A 2022年3月/II・B 2023年3月/C 2023年11月/III 2024年3月
| 標準問題精講 | 1対1対応の演習 | |
|---|---|---|
| 出版社の説明 | 難関私立大・国公立二次試験を受験する人のための演習書。合否の分かれ目となる問題を「標問」として選んだ | 入試問題から基本〜標準問題を選び、確実に解く力をつける。難関校レベルの問題を解く際の足固め |
| 出版社のレベル表示 | 商品ページの学習レベルは「標準」「応用」。シリーズでは入門→基礎→標準→上級の「標準」 | 難関校レベルを解く前の「足固め」。手前の本として『プレ1対1対応の演習』『入試数学の基礎徹底』を挙げている |
| 冊数(全範囲) | 3冊 | 6冊 |
| 価格(税込) | 1,540円+1,760円+1,760円=5,060円 | 6冊で9,020円(東京出版の直販サイトの価格) |
| 解答・解説 | 本文で標問を解説。演習問題の解答は巻末(PDFも無料で配布) | 例題を解説し、演習題で身についたかを確かめる |
出版社の説明を並べると、標準問題精講は難関大の二次試験そのものを狙った本、1対1は入試の標準問題を確実に解けるようにし、難関レベルへの土台を作る本として作られています。問題1題ごとの難しさを比べた公式のデータはないので、「どちらが何倍難しい」とは言えませんが、狙っている層には違いがあります。
どちらを選ぶか
選び方は、当塾の考え方です。
| あなたの状況 | 標準問題精講 | 1対1対応の演習 |
|---|---|---|
| ②で青チャート・Focus Goldを使った参考書ルートの解説で、青チャートの次の本として多く挙がるのが1対1 | △ | ◎ |
| ②で基礎問題精講を使い、難関大の二次で標準より上の問題まで必要同じ精講シリーズで、解説の形(精講・研究)にも慣れている | ◎ | ○ |
| ②で基礎問題精講を使い、まず入試の標準問題を確実に解けるようにしたい1対1は「基本〜標準」を確実に、がねらいの本 | ○ | ◎ |
| どちらかをすでに持っている・始めている持っているほうを使う。買い直さない | ◎ | ◎ |
| 残りの時間が少ない③を全部やるより、②の×の問題をなくして過去問へ進むほうがよい場合がある | △ | △ |
最後の行について補足します。志望校の問題が標準的なものが中心で、残り時間が少ないなら、③の本を全範囲やるより、②の本を解答を見ずにすぐ解ける状態まで仕上げて過去問に進むほうが、合う場合があります。③をどこまでやるかは、模試の結果と残り時間で決めます。
進むタイミングと、段差に気をつけるところ
③に進むのは、②の本を最後まで通し、×の問題を日を空けて解き直してからです(当塾の目安)。本のレベルの目安は、参考書のレベルが合っているかの目安で書いています。
標準問題精講は、3冊とも著者が違います(I・A、II・B+ベクトル、III・C で別の著者。②の基礎問題精講とも別の著者です)。III・Cについては、旺文社の編集担当者も「ハイレベルな1冊」と書いています。冊ごとに手ごたえが変わることがあるので、新しい冊に入るときは、最初の章の標問を何題か解いてみてください。手が出ない問題ばかりなら、②の本の同じ分野の×の問題を先になくします。
③の問題は、②の本と違って、どの解き方を使うかを自分で選ぶところから始まります。初めて見る形の問題で手が止まったときの考え方は、数学の応用問題が解けないにまとめています。
回し方は②の本と同じ
③の本も、1周目は全問を解いて○・△・×をつけ、2周目からは日を空けて×の問題だけを解きます。1対1は、例題を解いたら、そのすぐあとの演習題までセットで解きます。演習題は、例題の内容が身についたかを確かめるための問題です(参考書は何周するべき?)。
よくある質問
- Q.標準問題精講と1対1対応の演習は、どっちが難しいですか?
- A.問題ごとの難しさを比べた公式のデータはありません。ただ出版社の説明では、標準問題精講は「難関私立大・国公立二次試験を受験する人のための演習書」、1対1は「基本〜標準問題」を確実に解く力をつけ、難関校レベルの足固めにする本とされていて、標準問題精講のほうが上の層を狙っています。
- Q.基礎問題精講の次は、標準問題精講と1対1のどっちがいいですか?
- A.どちらも選べます。難関大の二次で標準より上の問題まで必要なら、同じシリーズの標準問題精講。まず入試の標準問題を確実に解けるようにしたいなら1対1です。どちらかを持っているなら、その本を使ってください。
- Q.青チャートのあとに標準問題精講ではだめですか?
- A.だめではありません。ただ、青チャートの次の本として多く挙がるのは1対1です。迷ったら1対1、志望校の二次で標準より上の問題まで必要なら標準問題精講、と考えてください。
- Q.標準問題精講と1対1を両方やるべきですか?
- A.どちらも③の本なので、両方やる必要はありません。1冊を仕上げたら過去問に進みます。
- Q.1対1対応の演習は、例題だけでもいいですか?
- A.演習題までセットで解いてください。出版社の説明では、演習題は例題と同じテーマで、例題よりやや難しめに作られた、理解を確かめるための問題です。
②の本の選び方は基礎問題精講と青チャートはどっち?、今の本のレベルの目安は参考書のレベルが合っているかの目安を読んでみてください。
出典・参考
- 旺文社『数学Ⅰ・A 標準問題精講 四訂版』商品ページ(標問124題)
- 旺文社『数学Ⅱ・B+ベクトル 標準問題精講 四訂版』商品ページ(標問183題)
- 旺文社『数学Ⅲ・C 標準問題精講 四訂版』商品ページ(標問134題)
- 旺文社 問題精講シリーズのレベル(入門・基礎・標準・上級)についてのお知らせ
- 東京出版『1対1対応の演習』シリーズ紹介
- 東京出版WEB STORE『1対1対応の演習』三訂版 一覧(価格・ページ数)
記事中の書名・版・構成は執筆時点の出版社公式情報にもとづきます。改訂により変わることがあります。問題文の転載は行っていません。
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