受験生の夏休みの使い方——新しい本を増やさず、手持ちの1冊をやり切る計画の立て方
受験生の夏休み、何時間勉強すればいいのか。時間の目標より、手持ちの参考書を1冊やり切る計画のほうが崩れにくく、夏休み明けに何が残ったかがはっきりします。夏休みの週数で問題数を割る手順と、よくある失敗をまとめました。
「受験生の夏休みは、1日何時間勉強すればいいですか」
夏休み前になると、とてもよく聞く質問です。そして夏休みが終わったあとに多いのが、「たくさん勉強したはずなのに、何が身についたのか分からない」という声です。
この記事では、夏休みを手持ちの1冊をやり切る期間として計画する方法をまとめます。
夏休みにやりがちな3つの失敗
1. 新しい参考書を何冊も買う
まとまった時間があるので、評判の本を何冊も始めたくなります。ただ、同じ段の本を増やしても、同じ解法をもう一度なぞることになるだけです(基礎問題精講と青チャートの記事)。夏休みの終わりに、どの本も途中、という状態になりがちです。
2. 時間で目標を立てる
「1日10時間」のような目標は、達成したかどうかは分かっても、何が終わったかは分かりません。机に向かった時間と、進んだ量は別物です。
3. 最初の計画を最後まで変えない
最初の計画は、たいてい甘くなります(勉強計画の立て方の記事)。夏休みの最初の1〜2週で実際のペースを測り、そこから割り直す前提で計画を持ちます。
夏休みは「今の段の本を1冊やり切る」期間
夏休みにやることは、シンプルです。
- 科目ごとに、今の段の本(多くの人は②の本)を1冊決める
- 夏休みが終わるまでに、その本の1周目と、×の問題の2周目まで進める
- 新しい本は、今の本を最後まで通してから
×の問題の2周目は、日を空けて取り組む必要があります(参考書は何周するべきかの記事)。数週間まとまった時間がある夏休みは、1周目と2周目を同じ期間の中で回すのに向いています。
計画の立て方:夏休みの週数で問題数を割る
- 1
その本の残りの問題数を数える
演習問題も含める。今どこまで進んでいるかから数える
- 2
夏休みの週数を数える
夏休みの週数 − 講習・行事・旅行などで進めない週 − 予備の1週
- 3
割って、1週間の量を出す
残りの問題数 ÷ 使える週数(端数は切り上げ)
- 4
最初の1〜2週で割り直す
実際に1週間で進んだ問題数で、残りを割り直す
例えば、残り150問の本を、6週の夏休みで仕上げるとします。講習で進めない週が1週、予備の週が1週なら、使える週数は4週です。150 ÷ 4 = 37.5 なので、1週間に38問になります(数字は一例です)。
科目が複数あるときは、科目ごとに同じ手順で1週間の量を出し、合計が1週間に使える勉強時間に収まるかを確かめます。収まらないときは、これから進む予定の上の段の本(入試演習や難関の本)の演習量を減らします。
夏休みの1日の量は、週で帳尻を合わせる
夏休みでも、講習の日、学校の補習の日、何もない日で使える時間は変わります。1日の量は日ごとに調整し、週の合計で今週の範囲が終われば十分です。
時間がとれる日は新しい範囲を進め、短い日は×の問題の解き直しや単語、というように使い分けると崩れにくくなります。
睡眠は削らない
夏休みは生活のリズムが崩れやすい時期です。夜遅くまで勉強して朝起きられない、という形になりがちです。
厚生労働省の睡眠ガイドは、中学・高校生に8〜10時間を参考に睡眠時間を確保するよう勧めています。覚えたあとの睡眠が、覚えたことを残す助けになるという研究もあります(受験生の睡眠時間の記事)。夏休みの計画も、寝る時間と起きる時間を先に決めてから組みます。
夏休みが明けたら、今どの段にいるかを確かめる
夏休みの終わりに、残った×の数を見てください。本を最後まで通し、×の問題を日を空けて解き直すところまで終えていれば、次の段の本に進むタイミングです(参考書のレベルが合っているかの目安)。
夏休みに何が身についたかを、時間ではなく「解ける問題」で確かめられるのが、1冊をやり切る計画のいいところです。
よくある質問
- Q.受験生の夏休みは、1日何時間勉強すればいいですか?
- A.決まった正解はありません。まず問題数で1週間の量を決め、最初の1〜2週で実際にかかる時間を測ってください。そのペースで夏休み中に終わるかどうかで、時間を増やすか、量を減らすかを決めます。
- Q.夏休みに新しい参考書を始めてもいいですか?
- A.今の段の本を最後まで通せていれば、次の段の本を始めるのはいいタイミングです。今の本が途中のまま、同じ段の本を増やすのはおすすめしません。
- Q.夏期講習と参考書の計画は、どう組み合わせればいいですか?
- A.講習のある週は、参考書を進められる量が減ります。計画を立てる段階で、その週を「進めない週」として引くか、量を少なめにしておきます。講習の復習で×がついた問題も、日を空けて解き直します。
- Q.夏休みの途中で計画が崩れました。
- A.崩れるのは前提です。終わらなかった問題を翌週に足し、残りの問題数を残りの週数で割り直してください。それでも足りなければ、これから進む予定の上の段の本(入試演習や難関の本)の演習量を減らします。今やっている本と、その×の問題の2周目は削らないでください。
計画の立て方は勉強計画の立て方、1冊の回し方は参考書は何周するべきかもあわせて読んでみてください。
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