ルートアップオンライン塾

スマホで勉強に集中できないときは——研究で分かっていること・いないことと、別の部屋に置く・通知を切る工夫

勉強中、ついスマホを見てしまう。スマホと勉強の関係について研究で分かっていることと、まだ分かっていないことを分けて整理し、意志の力に頼らずに済む工夫(通知を切る・別の部屋に置く・終わったら見ると決める)をまとめました。

読了 約4分執筆: ルートアップオンライン塾(現役医学生が運営)

「勉強しようとしても、ついスマホを見てしまう」

勉強の悩みの中でも、とても多いものです。見ないと決めても、気づいたら30分たっている。

この記事では、スマホと勉強について研究で分かっていることと、まだ分かっていないことを分けて整理し、そのうえで当塾がすすめている工夫をまとめます。

高校生のスマホ利用は、1日平均140分

ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所の調査では、高校生の携帯・スマートフォンの利用時間(学校がある日・学校の中の時間を除く)は、2015年の96分から、2025年は140分に増えています。

スマホを見る時間が長いのは、あなただけではありません。そのうえで、勉強の時間とどう分けるかを考えます。

研究で分かっていること

通知が来るだけで、ミスが増えた

アメリカの大学生を対象にした実験(Stothart ほか、2015年)では、集中が必要な単純な課題の途中で、参加者のスマホに着信やメッセージの通知を送りました。その結果、スマホに触らなくても、通知が来るだけで課題のミスが増えました。

研究は1本で、課題も勉強そのものではありません。それでも、「見なければ大丈夫」とは限らないことを示す結果です。

研究で、まだ分かっていないこと

「近くにあるだけで集中力が落ちる」は、追試で再現されなかった

ネットでもよく紹介される研究に、スマホを机の上に置いた人より、別の部屋に置いた人のほうが記憶のテストの成績が良かった、という実験があります(Ward ほか、2017年)。

ただし、同じ方法で行った事前登録の追試(Ruiz Pardo & Minda、2022年)では、置き場所による差は出ませんでした。複数の研究をまとめた分析でも、効果があったのは記憶に対してだけで、あっても小さいとされています。「スマホが近くにあるだけで集中力が落ちる」とは、今のところ言い切れません。

スマホをよく使う人ほど成績がやや低いが、原因かどうかは分からない

スマホの使用と成績の関係をまとめた研究(Kates ほか、2018年/Amez & Baert、2020年)では、スマホをよく使う学生ほど成績がやや低い傾向が見られています。ただし関係は弱く、スマホが成績を下げているのかどうかは分かっていない(因果としては解釈できない)とされています。

学校でスマホを禁止した効果も、成績が上がったという研究と、変わらなかったという研究があり、結論は出ていません。

意志の力に頼らずに済む工夫

研究がはっきりしない部分があっても、「通知が来ると集中が途切れる」「見ないと決めても見てしまう」は、多くの人が実感していることだと思います。そこで当塾がすすめているのは、見ないように我慢するのではなく、見なくて済む状態を先に作ることです。以下は研究で直接確かめられた方法ではなく、当塾からの提案です。

  1. 1

    勉強を始める前に、通知を切る

    おやすみモードや集中モードを使う

    通知が来るだけでミスが増えた、という実験に沿った工夫

  2. 2

    手の届かない場所に置く

    別の部屋、かばんの中、家族に預ける

    近くにあるだけで集中が落ちるかは研究で分かれているが、手に取るまでの手間が増える

  3. 3

    「今日の問題番号が終わったら見る」と決める

    時間ではなく、範囲の終わりを区切りにする

    No.25〜32が終わったら、10分見る など

  4. 4

    勉強にスマホを使うときは、使う場面を決める

    単語アプリ・質問の写真を送るときだけ、など

    使い終わったら、また手の届かない場所へ

我慢する力より、見なくて済む環境を先に作ります

区切りは「時間」より「問題番号」で

「1時間勉強したら見る」だと、1時間の中身が問題1問でも1時間です。「今日の範囲 No.25〜32 が終わったら見る」と決めておくと、スマホを見る前に、やるべきことが終わっています。範囲を問題番号で決める方法は勉強計画の立て方の記事で詳しく書いています。

始められないときは

机に向かってもスマホに手が伸びてしまう日は、「もし机に座ったら、スマホを別の部屋に置いてから1問解く」のように、始め方を「もし〜したら、〜する」の形で前もって決めておく方法もあります(やる気が出ないときの始め方の記事)。

寝る前のスマホと睡眠

夜遅くまでスマホを見て、寝る時間が遅くなるのもよくある悩みです。厚生労働省の睡眠ガイドは、中学・高校生に8〜10時間を参考に睡眠時間を確保するよう勧めています。勉強の計画と同じように、寝る時間を先に決めて、その前にスマホを置く時間も決めておきます(受験生の睡眠時間の記事)。

よくある質問

Q.スマホが近くにあるだけで、集中力は落ちますか?
A.そう示した有名な実験はありますが、同じ方法の追試では差が出ませんでした。今のところ言い切れません。ただ、通知が来るだけでミスが増えたという実験はあるので、勉強中は通知を切っておくのがおすすめです。
Q.スマホを使う時間が長いと、成績は下がりますか?
A.スマホをよく使う人ほど成績がやや低い傾向は見られていますが、関係は弱く、スマホが原因かどうかは分かっていません。時間の長さより、勉強中に通知や画面で集中が途切れないようにすることを優先してください。
Q.勉強アプリを使っているので、スマホを手放せません。
A.使う場面を決めて、その時だけ手元に置くようにしてください。単語アプリを使う時間、質問の写真を送る時だけ、のように区切ると、ほかのアプリに流れにくくなります。
Q.親にスマホを預けるのは効果がありますか?
A.預けることで成績が上がるかを直接確かめた研究は、この記事では紹介していません。ただ、手に取るまでの手間が増えるので、見てしまう回数を減らす工夫として試す価値はあります。

範囲を問題番号で決める方法は勉強計画の立て方、始め方を前もって決める方法はやる気が出ないときの始め方を読んでみてください。

出典・参考

記事中の書名・版・構成は執筆時点の出版社公式情報にもとづきます。改訂により変わることがあります。問題文の転載は行っていません。

ほかの記事

自分の場合は?を
無料相談で
LINEで相談