ルートアップオンライン塾

受験生の勉強のやる気が出ないときは、どう始める?——やる気を待たずに「もし〜したら、〜する」を決めておく

受験生なのに勉強のやる気が出ない。やる気が出るのを待っていると、勉強はなかなか始まりません。始めるきっかけを「もし〜したら、〜する」の形で前もって決めておく方法と、研究で分かっていること・分かっていないことを整理しました。

読了 約4分執筆: ルートアップオンライン塾(現役医学生が運営)

「今日は全然やる気が出ない」

勉強の相談で、とてもよく聞く言葉です。そしてやる気が出ないまま、気づいたら夜になっている。

この記事では、やる気が出ない日でも勉強を始めるための方法を、研究で分かっていることと、分かっていないことを分けて整理します。

やる気が出ないのは、あなただけではない

ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所の調査(2025年)では、「勉強しようという気持ちがわかない」と答えた割合が、中学生・高校生ともに6割を超えています。

やる気が出ない日があるのは、特別なことではありません。だから「やる気を出す方法」を探すより、やる気がなくても始められる仕組みを作っておくほうが現実的です。

やる気を待たずに、「もし〜したら、〜する」を決めておく

心理学では、目標を「何をするか」だけでなく、「どんなときに、どうするか」の形で前もって決めておく方法が研究されています。「もし〜したら、〜する」の形の計画(if-then プラン。研究では「実行意図」と呼ばれます)です。

例えば、こういう形です。

  • もし夕食を食べ終わったら、机で数学の問題集のNo.25を開く
  • もしスマホを見たくなったら、スマホを別の部屋に置いてから1問解く

1つ目は始めるきっかけを、2つ目はつまずきそうな場面への対処を決めています。

研究で分かっていること

この方法を調べた642件の検証をまとめた分析(Sheeran ほか、2025年)では、if-then の形で計画を決めると、目標に向けた行動が実行されやすくなることが確かめられています。12〜18歳を対象にした研究でも、同じように効果が見られました。

ただし、正直に書いておくべきこともあります。

  • 効果の大きさは小さめです。勉強に関する研究に限ると、さらに小さくなります。これだけでやる気の問題が解決するわけではありません
  • 「いつ・どこで・何をするか」を並べただけの予定表よりも、「もし〜したら、〜する」の形で書いた計画のほうが効果が大きい傾向がありました(研究どうしを比べた結果なので、ほかの条件の違いも混ざっています)

高校生を対象にした実験

アメリカの高校2年生66人を対象にした実験(Duckworth ほか、2011年)があります。

春に30分ほどの書くワークをしてもらいました。内容は、勉強の目標がかなったときのいいことと、邪魔になりそうなことを書き出し、邪魔が入ったら「もし〜したら、〜する」でどうするか、問題集をいつ・どこでやるかを決めて書く、というものです。その後、夏休みに取り組む模試の練習問題集を配りました。

その結果、ワークをした生徒が夏休みに解いた練習問題は平均140問で、別の作文を書いた生徒(約84問)より6割以上多くなりました。

1校・66人の小さな研究で、成績まで調べたものではありません。それでも、「やる気」ではなく「始め方」を前もって決めておくことが、高校生の自習の量に違いを生んだ例として参考になります。

何をやるかは、問題番号まで決めておく

やる気が出ない日に机に向かっても、「さて、何をやろうか」と考え始めると、そこで手が止まりがちです。

当塾では、毎週の課題を「数学 No.25〜48」のように問題番号で決めています。何をやるかを机に向かう前に決めておけば、「どこからやるか」で迷う時間がなくなります。範囲の決め方は問題数÷週数の記事で詳しく書きました。

最初の1問を小さくする

やりたくない課題ほど後回しにされやすいことは、先延ばしの研究をまとめた分析(Steel、2007年)で一貫して見られる傾向です(関係があるという結果で、原因と結果までは分かっていません)。

そこで当塾がすすめているのは、最初の1問をできるだけ小さくすることです。

  • 「今日は24問」ではなく、「まずNo.25の1問だけ」
  • 新しい単元ではなく、昨日の×の問題を1問だけ解き直すところから
  • 解説を読むのではなく、問題を写すところまで

これも、高校生の勉強で直接確かめた研究は見つけられませんでした。研究の裏づけというより、始めるハードルを下げるための工夫として試してみてください。

それでも進まない日は、週の合計で帳尻を合わせる

ここまでやっても、まったく進まない日はあります。体調が悪い日、行事で疲れた日、気持ちが落ち込んでいる日。

そういう日のために、計画は1日単位ではなく週単位で持っておきます。今日できなかった分は、週の残りの日で少しずつ埋める。週の中でも終わらなかった問題は、翌週の範囲に足して、残りの週数で割り直します(立て直し方は問題数÷週数の記事)。

1日進まなかったことで、計画全体をあきらめる必要はありません。

よくある質問

Q.「やる気は行動したあとについてくる」と聞きました。本当ですか?
A.よく聞く言い方ですが、健康な高校生の勉強について、それを直接確かめたしっかりした研究は見つけられませんでした。この記事では、やる気が出るかどうかに関わらず始められるように、始め方を前もって決めておく方法をすすめています。
Q.if-then プランは紙に書いたほうがいいですか?
A.書くかどうかで効果がはっきり変わる、という結果は出ていません。大事なのは「もし〜したら」のきっかけを、毎日ほぼ必ず起きる場面(夕食後、帰宅後など)にすることです。
Q.いくつくらい決めればいいですか?
A.最初は1つか2つで十分です。始めるきっかけを1つと、つまずきやすい場面(スマホ、眠気など)への対処を1つ。うまく回るようになってから増やしてください。
Q.毎日同じ時間に勉強できません。
A.時間ではなく、毎日ほぼ必ず起きる出来事(帰宅したら、夕食を食べ終わったら)をきっかけにすると、部活や行事で時間がずれても使えます。

毎週何をやるかが決まっていると、「やる気が出るまで待つ」時間が減ります。範囲の決め方は問題数÷週数の記事、1冊の回し方は参考書は何周するかの記事を読んでみてください。

出典・参考

記事中の書名・版・構成は執筆時点の出版社公式情報にもとづきます。改訂により変わることがあります。問題文の転載は行っていません。

ほかの記事

自分の場合は?を
無料相談で
LINEで相談