ChatGPTに勉強計画を立ててもらっていい?——割り算は任せてよい。「今の段」と「問題数」は自分で確かめる
ChatGPTなどの生成AIに、受験の勉強計画を立ててもらってもいいのか。利用規約の年齢条件と、文部科学省の学校向けガイドラインが注意していることを確かめたうえで、AIに任せてよいところ・自分で確かめるところと、頼み方の例をまとめました。
「ChatGPTに勉強計画を立ててもらおうと思うんですが、大丈夫ですか」
最近、学習相談で聞かれるようになった質問です。条件を入れれば、それらしい計画が一瞬で出てきます。ただ、それをそのまま信じていいのかは気になるところです。
この記事では、まずルールと公的なガイドラインで確かめられることを整理し、そのうえで、勉強計画のどこをAIに任せてよくて、どこを自分で確かめるべきかをまとめます。
使う前に:年齢の条件
OpenAIの利用規約(日本語版・2026年1月1日発効)では、ChatGPTを使えるのは13歳以上で、18歳未満の場合は、親権者または法定後見人の許可が必要とされています(2026年10月時点)。高校生が使うときは、保護者の方の許可をとってください。規約は変わることがあるので、使う前に最新のものを確かめてください。
文部科学省のガイドラインが注意していること
文部科学省は2024年12月に、学校向けの「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」を公表しています(2026年10月時点で改訂を検討中)。主な読み手は先生や教育委員会ですが、生徒が使うときの注意として、次のようなことが書かれています。
| ガイドラインに書かれていること | 勉強計画に当てはめると |
|---|---|
| 生成AIが誤った内容を出すのを完全に防ぐのは極めて難しい | 本の問題数や章の数を、AIが間違えることがある |
| 出力は参考の一つで、最後は人間が判断する | 出てきた計画を、自分の状況に合っているか確かめてから使う |
| 正確性・事実関係を確かめるよう指導する | 問題数は本の目次や出版社のページで確かめる |
| 名前や写真などの個人情報を入力させない | 名前・学校名は入れずに頼む |
| AIに頼りすぎると、学びが身につかないおそれがある | 問題の答えを聞くのではなく、自分で解く |
OpenAI自身もヘルプページで、ChatGPTは誤った内容を出すことがあり、間違っていても自信があるように聞こえることがあるので、重要な情報は確かめるよう呼びかけています。
AIに任せやすいこと・自分で確かめること
ここからは当塾の考え方です。
| 内容 | |
|---|---|
| 任せやすい | 残りの問題数を週数で割る、週ごとの範囲(No.◯〜◯)を並べる、進めない週を引いて割り直す |
| 自分で確かめる | 今どの段にいるか(どの本から始めるか) |
| 自分で確かめる | その本の問題数(版によって違うことがある) |
| 自分で確かめる | 1週間に実際に何問進めるか |
今どの段にいるかは、解かないと分からない
どの本から始めるかは、計画のいちばん大事な部分ですが、AIはあなたがどこまで解けるかを知りません。偏差値や学年を伝えても、そこから推測するしかありません。今の本が合っているかは、その本を解いたときの手ごたえで、自分で見ます(参考書のレベルが合っているかの目安)。
本の問題数は、本と出版社で確かめる
同じ名前の参考書でも、版によって問題数が違うことがあります。AIに問題数を聞くのではなく、手元の本の目次や出版社のページで数えて、その数字をAIに渡します。
ペースは、やってみないと分からない
最初の計画は楽観的になりやすいことが、研究で知られています(勉強計画の立て方の記事)。AIが立てた計画も同じです。2〜4週やって、実際に1週間で進んだ問題数で割り直します。割り直しの計算は、またAIに頼んでかまいません。
頼み方の例
計画の材料は自分で用意して、計算と並べる作業だけを頼みます。
- 1
自分で決める・数える
使う本(科目ごとに1冊)、残りの問題番号、期限までの週数、進めない週
- 2
AIに渡して、割ってもらう
名前・学校名は入れない
- 3
出てきた計画を確かめる
問題番号が抜けていないか、合計が合っているか、予備の週があるか
- 4
2〜4週やって、割り直してもらう
実際に進んだ問題数を渡す
頼むときの文の例です。
数学の問題集の残りが No.41〜No.308 です。期限まで15週あり、そのうち2週はテストで進められません。最後の1週は予備にしたいです。1週間に何問ずつ進めればいいかを計算して、週ごとの範囲を「第1週:No.41〜No.◯」の形で表にしてください。
出てきた表は、合計がちゃんと No.308 まで届いているか、自分で確かめてください。
よくある質問
- Q.ChatGPTに勉強計画を立ててもらってもいいですか?
- A.問題数を週数で割る、週ごとの範囲を並べるといった作業は任せやすい部分です。ただ、今どの段にいるか、本の問題数、実際のペースはAIには分からないので、自分で確かめてからAIに渡してください。なお、ChatGPTの利用規約では、18歳未満は親権者などの許可が必要とされています(2026年10月時点)。
- Q.AIに参考書を選んでもらってもいいですか?
- A.候補を知るのに使うのはかまいませんが、そのまま使わないでください。同じ役割の本が2冊入っていないか、自分の今の段に合っているかを確かめる必要があります。今の段は、その段の本の例題を解いて確かめます。
- Q.分からない問題の解説をAIに聞いてもいいですか?
- A.AIの説明も間違えることがあるので、教科書や参考書の解説と照らし合わせてください。説明を読んだあとは、閉じて白紙から自分で解き直すのが大事です。文部科学省のガイドラインも、AIに頼りすぎると学びが身につかないおそれがあるとしています。
- Q.AIに入力してはいけないことはありますか?
- A.文部科学省のガイドラインは、名前や写真などの個人情報を入力しないよう求めています。勉強計画を頼むときも、名前や学校名は入れずに、本の問題番号や週数などの数字だけを渡してください。
計画の立て方そのものは勉強計画の立て方、今の本のレベルの目安は参考書のレベルが合っているかの目安を読んでみてください。
出典・参考
- OpenAI 利用規約(日本語・2026年1月1日発効)
- OpenAI ヘルプ「ChatGPT は真実を伝えますか?」
- 文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」(2024年12月26日)
- 文部科学省「生成AIの利用について」
記事中の書名・版・構成は執筆時点の出版社公式情報にもとづきます。改訂により変わることがあります。問題文の転載は行っていません。
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