4STEP・セミナーの使い方——詳しい解答があるかで決まる、市販の参考書との使い分け
学校で配られた4STEPやセミナーがあるのに、評判のいい市販の参考書も買って、どちらも中途半端に——よくある失敗です。傍用問題集を学習の本体にできる条件と、できないときの組み方を整理しました。
高校1・2年生の学習相談で、とてもよく見る状況があります。
学校では4STEP(数学)やセミナー(物理・化学)が配られて、授業や課題で使っている。でも周りの評判を聞いて、青チャートや基礎問題精講も買った。結果、学校の課題に追われて市販の本は手つかず、あるいは市販の本を進めて学校の課題が雑になる——。
この記事では、学校で配られる問題集(傍用問題集)と市販の参考書をどう組み合わせればいいかを整理します。
傍用問題集は「解法を身につける本」になれる
参考書を役割で分けると、傍用問題集の立ち位置がはっきりします。
- 1
導入・理解
入門問題精講 など
- 2
解法習得・網羅
青チャート/基礎問 など
- 3
入試標準演習
1対1/標問 など
- 4
過去問
志望校の形式へ
数研出版の4STEPを例にとると、出版社の説明では問題が4段階に分かれています。
| 段階 | 出版社の説明 |
|---|---|
| STEP A | 基礎力の養成。教科書の例・例題・問レベル |
| STEP B | 応用力の養成。教科書の応用例題・節末・章末レベル |
| 発展問題 | 教科書では取り扱われなかったが重要な問題 |
| 演習問題 | 入試対策。AとBの2段階に分け、章末に収録 |
教科書レベルから入試対策の入り口まで、解法を一通り身につける構成になっています。これは青チャートや基礎問題精講が担う②の役割とほぼ同じです。
つまり、傍用問題集と市販の網羅系を両方「全問やる」と、同じ役割の本を2冊重ねることになります(この考え方は基礎問題精講と青チャートの記事で詳しく書きました)。
分かれ目は「詳しい解答を持っているか」
傍用問題集を学習の本体にできるかどうかは、ほぼこの1点で決まります。
出版社の公式な説明では、傍用問題集の詳しい解答は、学校を通してしか手に入りません。
- 数研出版(4STEP): 「この書籍は学校採用専用書籍のため、書店店頭では販売しておりません。(中略)個人の方には、別売解答も販売しておりません」
- 第一学習社(セミナー): 本体は書店から注文できますが、「問題集の別冊解答等は、高等学校での利用に配慮し、一般販売では添付しておりません」
解答を生徒に配るかどうか、いつ配るかは、学校が決めることになります。
解答がある場合: 傍用問題集を本体にする
詳しい解答を持っているなら、傍用問題集を②の本体にするのが一番効率的です。
- 定期テストの勉強と受験の土台作りが同じ1冊で済む。教科書と進度がそろっているので、授業の復習がそのまま②の学習になります
- 市販の網羅系(青チャートなど)は買い足さない。すでに持っているなら、傍用で分からなかった問題の考え方を調べる辞書として使います
- STEP A・B を確実に解けるようにし、発展問題・演習問題まで進んだら、③の入試標準演習(数学なら1対1対応の演習・標準問題精講など、物理なら良問の風)へ進みます
- 1
授業・教科書
学校の授業で単元を学ぶ
- 2
② 解法習得(本体)
4STEP・サクシード・セミナーなど(学校配布)
A・Bを確実に → 発展・演習へ。分からない問題は青チャート等を辞書として引く
- 3
③ 入試標準演習
数学: 1対1対応の演習/標準問題精講 物理: 良問の風 など
- 4
④ 過去問
志望校の形式に合わせる
解答がない場合: 市販の本を本体にする
解答が配られない、または入試直前まで配られない場合は、傍用問題集を本体にするのは難しくなります。
- 市販の解答つきの②の本を1冊選んで本体にする(数学なら青チャート・基礎問題精講など、物理ならエッセンス・基礎問題精講など)
- 傍用問題集は、学校の課題として出された範囲を最低限こなすものとして扱い、全問を自分で回そうとしない
- 学校の課題と市販の本で同じ単元を扱う時期は、課題を先に済ませ、市販の本では課題で解けなかった型を重点的に確認する
状況別の組み方
| あなたの状況 | 傍用を本体に | 市販の②を本体に |
|---|---|---|
| 傍用の詳しい解答を持っている市販の網羅系は辞書として。買い足さない | ◎ | △ |
| 傍用の解答が配られない(答えの数値だけ)市販の解答つきの本を本体に。傍用は課題の範囲だけ | △ | ◎ |
| 学校で青チャートも配られている授業で使う方を本体に、もう一方は辞書。2冊とも全問はやらない | ◎ | ○ |
| 学校の進度が遅く、受験に間に合わない市販の②を本体にして、全範囲をそれで進める。傍用は課題の範囲だけ | △ | ◎ |
版に注意
傍用問題集は数年ごとに改訂され、同じ「4STEP 数学I+A」でも、改訂で問題が差し替わったり番号がずれたりすることがあります。友人や先輩から譲ってもらう、中古で解答を手に入れるといった場合は、表紙の版(「改訂版」「新課程」など)と問題番号が自分の本と一致しているかを必ず確認してください。
よくある質問
- Q.4STEPの詳しい解答は、どこで買えますか?
- A.数研出版の公式な説明では、4STEPは学校採用専用の書籍で、個人には別売の解答も販売していません。解答が必要な場合は、まず学校の先生に配布の予定を確認してください。手に入らない場合は、市販の解答つきの本を本体にする組み方に切り替えるのが現実的です。
- Q.セミナー物理・セミナー化学の後は何をやればいいですか?
- A.セミナーで②を仕上げたら、③の入試標準演習に進みます。物理なら良問の風、化学なら重要問題集などが代表的です。物理の参考書の順番は、物理のエッセンスの記事でも整理しています。
- Q.学校で青チャートと4STEPの両方が配られています。どちらを使えばいいですか?
- A.授業や課題で主に使う方を②の本体にして、もう一方は辞書として使います。多くの場合、課題として出るのは4STEPなので、4STEPを本体に、青チャートは解き方が分からないときに同じ型の例題を引く使い方になります。両方を全問解く必要はありません。
- Q.傍用問題集だけで難関大に届きますか?
- A.傍用問題集は②の本なので、難関大を目指す場合は、その先に③の入試標準演習と過去問が必要です。傍用で②を仕上げたあとの進み方は、市販の本で②を仕上げた場合と同じです。
出典・参考
記事中の書名・版・構成は執筆時点の出版社公式情報にもとづきます。改訂により変わることがあります。問題文の転載は行っていません。
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